上巻
聖チェリーヌ学院の生徒たちは、第100回目の学院際の準備で大忙し。水無月遥と神無月葵のふたりも、学院際で公演する舞台『ツインエンジェルショー』のリハーサルに奮闘していた。そんなある日、学院内の聖堂にある『天使像』の持っていた本が、何者かによってすり替えられてしまう。だが、本物の本は学院長の手元にあり、遥と葵はその本に手紙が挟まれていた事を知らされる。「……来たる学院際の前に、2つの天使像、他のすべてをもらいうける。これはその宣戦布告である……」。四次元男爵と名乗る犯人の挑戦状に、遥は、葵とツインエンジェルとして『天使像』と『妹像』を守り抜くことを決意するのだが、葵は手紙から伝わる相手の余裕に、一抹の不安を覚えるのだった……。
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下巻
学院に姿を現した奇術師・四次元男爵の圧倒的な力の前に、為す術なしのツインエンジェル。勝てるはずがない……恐怖に震える遥は、倒れた葵をおいて、一人その場を逃げ出してしまう。守るべきものを守れず、力も、希望も、絆もすべて失い、うなだれて独り学院内をさまよう遥。そこに現れたミスティナイトは「立ち止まって向き合うのだ、そうすれば、必ず見えてくる。自分が今、なにを為すべきか……」と遥に告げる。その時、遥の目に入ってきたものは、明日の学院祭のため、ボロボロになったセットを諦めずに、必死に修理する級友たちの姿だった。もう逃げない……逃がさない……あらゆる迷いを振り切った遥は単身、帰国の途についた四次元男爵のもとに向かい、戦いを挑むのだが……。 |